SNSのタイムラインを開けば、整然と並ぶデジタルコンテンツの中で、ひときわ異彩を放つ手描き風の画像が目に飛び込んでくる。完璧な黄金比で作られた商業デザインに対する反動だろうか。素朴で、少しアンバランスで、どこか愛おしい線描描画。それが「ゆるいイラスト」の真骨頂だ。
人気の背景には、完璧主義への疲れがある。失敗が許されないSNS社会において、ゆがんだ円や不揃いな目鼻立ちで描かれたキャラクターは、見る者に「完璧でなくていい」という強い無言語のメッセージを届ける。子ども向けコンテンツのアイコンが、現代アートのような脱力感を纏って再構築される現象は、単なるバズを超えた心理的ニーズの表れといえるだろう。