法律上の厳密な定義において、閣僚とは内閣総理大臣および各省大臣をはじめとする「国務大臣」を指す。政治学・憲法学の観点から見れば、日本国憲法第66条に基づき「文民」であることが大前提であり、さらに第68条の規定によってその過半数は国会議員の中から選ばれなければならない。逆を言えば、過半数さえ国会議員であれば、民間の有識者や学者、元実業家などを閣僚に一本釣りで任命することも憲法上は完全に可能だ。
よく混同されがちなのが「大臣」「副大臣」「大臣政務官」の権限の差である。省庁のトップである大臣(閣僚)は、行政機関の長として法案の提出や予算要求の最終決定権を持ち、国家の意思を決定する合議体の一員となる。一方、2001年の中央省庁再編で新設された副大臣は、大臣の命を受けて政策の企画立案や政務を司り、大臣不在時には職務を代行するが、閣僚そのものではない。副大臣会議などの枠組みは存在するものの、内閣の最高意思決定機関である閣議で議決に加わる権利は持たない。
大臣政務官に至っては、特定の政策やプロジェクトの補佐、国会との調整が主務であり、権限のヒエラルキーは明確に分かれている。国家の統治権を行使する「閣僚」という看板には、それだけ排他的で絶大な法的重みが与えられているのだ。