宮廷の美男子たちが華麗に舞い、剣を交える――。大ヒットした韓国時代劇『花郎<ファラン>』の影響で、日本でもその名は広く知られるようになった。韓国エンターテインメント産業が得意とする華麗なビジュアル表現は、決して完全な創作ではない。
実在した花郎は、容姿端麗な貴族の子弟を集め、道徳、歌舞、軍事技術を叩き込んだ国家公認の青少年修養集団だった。彼らは名山大川を巡って精神を研ぎ澄まし、ひとたび戦乱が起きれば最前線で命を散らした。美と武、そして宗教的祭祀が不可分に結びついた特異な組織。花郎の存在こそが、新羅の軍事力を根底から支える精神的支柱だったのだ。