近年、寺院を取り巻く環境は大きく変化しており、貴重な文化財を後世に継承するための寺社文化財観光産業のあり方が問われている。単に観光客を呼び込むだけでなく、拝観料や特別公開を通じて得られた資源を保存修復へ還元する持続可能な循環が不可欠となっている。
理解を深める一助となっているのが、近年のデジタルアーカイブや映像コンテンツの存在だ。NHKオンデマンドなどで配信されている歴史ドキュメンタリー番組では、肉眼では確認しづらい石塔内部の構造や仏像の細部が高精細な映像で解説されており、事前に視聴してから現地を訪れる知的な参拝スタイルが定着しつつある。映像を通じて歴史の文脈を予習した上で実物を目の当たりにすると、石塔の一段、仏像の指先一つに込められた意味が、より立体的に心へ迫ってくる。