手動のおろし金ですりおろした玉ねぎに比べ、ミキサーで撹拌した玉ねぎが耐えがたいほど苦く、辛くなってしまう現象。その正体は、玉ねぎに含まれるアミノ酸の一種「含硫アミノ酸」と酵素「アリイナーゼ」の結合によって生じる硫化アリル(アリシンなど)の過剰生成です。
手でおろす場合は繊維に沿って徐々に細胞が潰れますが、毎分1万回転以上で回転するミキサーの金属刃は、玉ねぎの細胞壁を一瞬で粉々に破壊します。これにより酵素反応が爆発的なスピードで進み、揮発性の辛味成分と酸化によるえぐみ・苦味が凝縮されてしまうのです。
さらに、細胞壁が完全に破壊されることで細胞内の遊離水分が一気に外へ流出し、「すりおろし」というより「分離した玉ねぎジュース」のように水っぽくなる失敗を引き起こします。これが、多くの人がミキサー調理で挫折する根本的な原因です。
なお、調理中に涙が出るのを防ぐ玉ねぎすりおろしの目にしみない裏ワザとしては、調理前に玉ねぎを冷蔵庫で最低2時間以上しっかり冷やしておくことが鉄則です。揮発成分の立ち上りを抑えられ、目への刺激を大幅にカットできます。