フランス・ル・マンでの日々は、単なる成功体験ではない。それは、生き残りをかけた剥き出しの生存競争だった。アフリカ系や南米系のフィジカルエリートたちと対峙する中で、松井が見出したのは「タイミングのずらし」と「相手の逆を取る呼吸」だ。この感覚を言語化し、論理的なメソッドとして日本の若者に移植する試みが、今まさに実を結び始めている。
彼のアカデミーから輩出されつつある10代の選手たちは、従来の日本人にありがちな「パスファースト」の思考を持たない。仕掛ける。剥がす。そして観客を沸かせる。そのプレースタイルは、まさに現役時代の松井そのものだ。