ダイオウイカ研究の歴史を語る上で、決して外すことのできない人物がいる。国立科学博物館の特別研究員などを歴任した窪寺恒己博士だ。漂着した死体や標本から推測するしかなかった巨大イカの生態解明に向け、長年にわたり現場での泥臭い調査を積み重ねてきた。
窪寺博士率いるチームの執念は、長年の沈黙を破り、洋上で生きたダイオウイカの姿を世界で初めて撮影するという歴史的快挙へと繋がった。自然科学の発展に寄与したこの偉業は、世界の海洋生物学の常識を覆し、深海探査における日本の圧倒的な技術力と情熱を証明することとなった。