事故前の彼は、間違いなく同世代のトップを走る存在だった。幼少期に劇団日本児童へ入団し、子役として表現力を磨いた彼は、早くから関係者の熱い注目を集めていた。圧倒的な存在感と愛くるしいルックス、そしてどこか影のある表情を見せる演技力は同年代の役者の中でも群を抜いていた。
彼を一躍スターダムに押し上げたのが、TBSテレビ系の人気ドラマ『うちの子にかぎって…』への出演だ。コミカルでありながら切ない思春期の揺れ動きを見事に演じ切り、全国のお茶の間を魅了した。さらに、日本テレビ系のドラマ出演や、TBSテレビの話題作『痛快!ロックンロール通り』で後藤久美子らと共演。学園ドラマや青春ドラマのアイコンとして、80年代後半のテレビ界を席巻した。劇団日本児童時代からの地道なレッスンが結実した天才的な芝居は、スタッフや共演者からも高く評価されていた。