料理研究家の栗原はるみ氏をはじめとするトップシェフたちが長年提唱してきた技法も、辛さ調整の強力な味方となる。長年愛されている長寿番組NHK『きょうの料理』などで紹介されてきたアプローチは、単に砂糖のような甘みを足すのではなく、「乳製品の脂質と旨味で辛味を包み込む」という理論に基づいている。
仕上げに生クリームや無塩バターを溶かし込み、あえて少量のガラムマサラを補う。一見すると辛味が増しそうに思えるが、乳脂が口内の受容体を保護するため、後引く刺激が劇的に和らぐのだ。甘みと香りの調和を崩さずに旨みだけを高めるこの手法は、大人が満足する深みと子供が喜ぶ食べやすさを両立させるプロならではの解決策と言える。