ピアノ教室のレッスン現場や、吹奏楽部・軽音楽部のアンサンブルにおいて、指導者が口を揃えて指摘するのが「16分休符が入った瞬間にテンポが突っ走る(または極端にもたる)」という現象です。SNSや知恵袋などのコミュニティでも、「16分音符の連打は弾けるのに、途中に16分休符が1個入るだけで指がもつれる」という悲鳴が数多く寄せられています。
このトラブルが起きる根本的な原因は、演奏者の脳内で時間の解像度が不足していることにあります。4分音符の「1拍」という大枠だけで拍を感じていると、その4分の1という極小の隙間を感覚で埋めようとしてしまい、結果としてタイミングが狂ってしまいます。
さらに、初心者ほど「休符=何もしない時間」と誤認している傾向があります。音を出さない瞬間に身体の緊張を完全に緩めてしまうため、次にやってくる16分音符の打鍵やピッキングの初動が遅れ、慌てて取り返そうとしてリズム全体が崩壊するのです。