日本国内において「ファイト」という言葉は、スポーツの応援から試験前の友人への声かけまで、ポジティブなエネルギーを与える言葉として広く浸透しています。辞書的な定義においても、現在では「闘志」「戦闘意欲」という意味に加え、「がんばれ」と同義の激励の間投詞として掲載されています。
この言葉の語源は、明白に英語の名詞・動詞である「fight(戦う、闘争)」にあります。日本でこの言葉がスポーツや日常の現場で使われ始めた歴史は古く、大正末期から昭和初期にかけてボクシングや野球などの近代スポーツが日本に輸入・普及する過程で、選手たちを鼓舞する「闘志を燃やせ(Show some fight)」といったフレーズが短縮され、かけ声として定着していったのが始まりとされています。
さらに戦後の高度経済成長期を経て、昭和のテレビカルチャーがこの定着を決定づけました。その代表例が、1962年に発売された大正製薬のドリンク剤「リポビタンD」のテレビCMです。断崖絶壁などの極限状態で繰り広げられる「ファイト一発!」のキャッチコピーは、渡辺裕之さんや勝野洋さんらの熱演とともに日本中のお茶の間に浸透し、「ファイト=困難に立ち向かう活力・応援」という強固な共通認識を日本社会に根付かせました。