1968年に公開された『太陽の王子 ホルスの大冒険』は、アニメ史に刻まれる金字塔であり、若き宮崎の才能が爆発した瞬間だった。高畑勲が監督、大塚康生が作画監督を務めたこの作品で、宮崎は新人の身でありながら場面設計(レイアウト)や原画の要職を任された。
アイデアを次々と提案し、監督の指示を超えて画面を縦横無尽に再構成する宮崎の仕事ぶりは、周りのベテランたちを驚愕させた。彼が描いた巨大な悪魔の岩男「モグ」の襲撃シーンや、ヒロインの複雑な内面描写は、それまでの子供向けアニメにはなかった心理的深みをもたらした。