「自分の耳鳴りは大丈夫だろうか」と不安を抱く人は多い。臨床現場で医師が重視する、聴神経腫瘍に特有の耳鳴りの質感とパターンには明確な傾向がある。
第一に、「持続性」だ。加齢や一時的な音響トラウマによる耳鳴りは、体調や環境によって強弱が激しく変化したり消えたりする。これに対し、腫瘍による耳鳴りは24時間365日、休むことなく「キーン」「ピシピシ」という高音が低音量で鳴り続けるケースが圧倒的だ。
第二に、「片側性」の徹底だ。両耳が同時に鳴るケースは極めて珍しい。ほぼ例外なく右か左、どちらか一方のみに限定される。静寂な夜、ベッドに横たわった時に「片方の耳奥だけで高周波の電子音が鳴り止まない」と感じたら注意が必要だ。
第三に、「言葉の聞き取りにくさ(語音明瞭度の低下)」の伴随である。音自体は聞こえているのに、電話越し相手の言葉が「モゴモゴ」とした雑音に化ける。音の増幅機能ではなく、音をコード化して脳へ送る「電線」そのものが途切れているために起こる現象だ。