検索ユーザーの間でも頻繁に対比されるのが、青峰大輝の「オレに勝てるのはオレだけだ」と、赤司征十郎の「僕に勝てるのは僕だけだ」という酷似した2つのセリフです。
この2つの言葉は、単なる言葉の重複ではなく、帝光中学校時代の「キセキの世代」崩壊のプロセスにおいて決定的な意味を持っています。青峰が中学時代、自らの急激な才能開花によって相手チームが戦意を喪失し、バスケットボールの楽しさを失って口にしたのが「オレに勝てるのは〜」でした。この言葉は、チームプレイの否定と自己孤立への引き金となります。
一方で、主将としてチームの勝利を至上命題と課されていた赤司は、紫原とのワンオンプラン対決で敗北の危機に瀕した際、自己防衛と勝利への強迫観念から「天帝の眼(エンペラーアイ)」を開眼させ、もう一つの冷酷な人格(オレ司)を生み出しました。その赤司が発した「僕に勝てるのは〜」は、自らの絶対性をチームメイトに宣告し、キセキの世代の完全な空中分解を確定づけたセリフだったのです。
作者である藤巻忠俊氏は、当時の雑誌インタビューや関連書籍の解説において、才能を持つ者たちが抱える「孤独」「勝利への強迫」「仲間との断絶」を極限までリアルに描写するためにこれらのセリフを配置したと述べています。一見かっこいい強気なセリフでありながら、その裏には思春期の少年たちが背負わされた重すぎる才能の残酷さが隠されています。