ダイソーの基礎を築いた創業者の矢野博丈氏は、「安かろう悪かろうではなく、お客様に『これが100円?』という驚きと感動を提供する」という独自の経営哲学を徹底してきた。100円ショップ業界全体が円安や物価高の波に直面する中、品質を落としてまで100円に固執するくらいなら、一度生産を止めて商品価値を再設計する姿勢は同社の伝統でもある。
コスト圧迫に耐えかねて内容量を極端に減らしたり、強度が著しく低下する廉価素材へ逃げたりすることは、ブランドの信頼を損ねかねない。今回の供給停止も、妥協のない品質管理と価格維持の狭間で下された決断の一環と捉えることができる。