伝統的な日本料理の世界において、おしぼりは器や箸と同等の神聖さを持つ。本来、おしぼりは「手を清める」ための道具であり、顔や首筋を拭く行為は正式なテーブルマナーでは避けるべき所作とされる。使い終わった布を乱暴に放置せず、折り目正しく整えてトレイに戻す所作こそが、客側の成熟度を示すサインとなる。
近年ではテーブルコーディネーターの間でも、おしぼりをテーブルセッティングの重要なアクセントカラーとして捉える動きが定着した。漆の折敷に調和する畳み方や、和モダンな陶器に映える立体的な折り方など、食空間全体の調和を創り出すスタイリング技術として進化を遂げている。