関東最大級の規模を誇る洞内は、総延長およそ2.2kmにおよぶ。現在一般公開されている約800mの周遊ルートに足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが、近年のリニューアルで本格始動した「不二洞イルミネーションプロジェクト」による幻想的な演出だ。
暗闇の中に浮かび上がる鍾乳石群は、計算し尽くされた光のグラデーションによって陰影を際立たせ、まるで意思を持った巨大な彫刻のようにそびえ立つ。赤や青、幽玄な紫へと移ろうLEDの光彩芒洋(こうさいぼうよう)たる空間は、かつての薄暗い洞窟探索のイメージを一新させた。光と影が織りなす圧倒的なコントラストは、カメラのファインダー越しにも息をのむ美しさである。
垂直に切り立つらせん階段を登り切った先にある大空間は、まさに地下の大聖堂。洞内最大の高低差を誇るエリアでは、数億年ともいわれる地殻変動のダイナミズムを間近で肌に感じることができる。