文京区音羽、講談社の向かいに位置する「群林堂」。文豪たちにも愛されてきたこの老舗の豆大福は、一口食べた瞬間に誰もが目を丸くする。皮から容赦なく飛び出さんばかりに主張する赤えんどう豆の量感。固めに炊き上げられた豆の力強い歯ごたえと、計算し尽くされた強めの塩気が、ぎっしり詰まったつぶ餡の濃厚な甘みをこれ以上ないほど鮮烈に引き立てる。
午前9時半の開店前から歩道に伸びる列は日常茶飯事だ。薄皮仕立ての餅は柔らかくも素朴で、時間が経つとすぐに固くなる。それこそが保存料を一切使わない本物の証拠。買ったその場で、白い粉を指先につけながら頬張る瞬間こそが最大の至福だ。