かつて築地の熱気と市場人の魂を生々しく切り取ったドキュメンタリー映画『築地ワンダーランド』。あの作品に描かれていたのは、人と人との義理人情と、魚に対する狂おしいまでの敬意だった。その精神性は、現代の『スマート水産流通プロジェクト』へと確実に受け継がれている。
ノスタルジーに浸るだけでは、これからの食の安全保障は守れない。産地の漁獲データと消費地の需要予測をリアルタイムで同期させ、無駄な廃棄をゼロに抑え込む。映画で世界を熱狂させた「魚河岸の哲学」を失うことなく、最新のデータプラットフォームを接ぎ木する試みが、いまこの場所で着実に実を結びつつある。