ホテルニューオウミでの夜を語るうえで、食の体験を外すわけにはいかない。館内には和洋中それぞれの名店が揃うが、なかでも特別な輝きを放つのが「鉄板焼 伊ぶき」だ。カウンター越しに繰り広げられるシェフの華麗な手さばき、立ち上る芳醇な香り、そして鉄板の上で弾ける音。五感すべてを刺激するドラマがここにある。
同館の総料理長(エグゼクティブシェフ)の厳しい目利きによって選び抜かれた近江牛は、まさに芸術品。きめ細やかな霜降りと融点の低い上質な脂は、熱い鉄板の上で絶妙に火入れされることで、舌の上でとろけるような柔らかさと芳醇な甘みを解き放つ。地元の新鮮な近江野菜や地酒とともにいただくディナーは、単なる食事を超えたカルチャー体験そのものだ。