ちんすこう(金楚糕)は、かつて琉球王国(現在の沖縄県)で生まれた琉球王朝の伝統菓子です。当時は冊封使をもてなす宮廷儀式や祝宴、王族・貴族の慶事の席でのみ振る舞われる門外不出の高級菓子でした。
名前の由来には諸説存在します。漢字表記の「金楚糕」において、「金(ちん)」は黄金のように貴重で高価なもの、「楚(す)」は解けて崩れるような繊細な食感、そして「糕(こう)」は小麦粉や米粉を用いた焼き菓子や蒸し菓子を意味します。つまり、「黄金のように貴重で、口の中でほどける極上の焼き菓子」という意味が込められています。また、一説には「珍しいお菓子(珍菓子=ちんすこう)」が転じたとも伝えられています。
歴史的には中国から伝来した蒸し菓子と、薩摩藩などを経由して入ってきた日本本土の菓子製法が融合して完成しました。明治時代に入り、王府の料理人だった新垣淑規(あらかき しゅくき)氏らが庶民向けに販売を始めたことで、広く民衆へ普及していく礎が築かれました。