トヨタのエンブレムを掲げる86ですが、ホイールを固定するネジ規格は「M12×P1.25」です。一般的なトヨタ車(プリウス、ヤリス、アルファードなど)が採用する「M12×P1.5」を流用することは一切できません。
この仕様の背景には、車両の開発・生産体制が深く関係しています。86およびGR86は、企画こそトヨタ主導であるものの、プラットフォームの設計やエンジン(FA20/FA24型水平対向4気筒)、そして車両の組み立てを一貫してスバルの群馬製作所本工場が担っています。足回り構造やハブ周りのアセンブリーはスバルの設計基準に準拠しているため、ハブボルトのピッチも必然的にスバル車共通の1.25mmピッチが組み込まれているのです。
さらに見落としてはならないのが「座面形状」の違いです。多くのトヨタ純正アルミホイールはワッシャー付きの「平面座(平座)」を採用していますが、86/GR86の純正ホイールおよび多くの市販社外ホイールは「60度テーパー座」となっています。ピッチの違いだけでなく、座面形状が合致していないナットを締め込むと、面接触ができずに緩みやハブボルトへの偏荷重を引き起こし、破断の原因となります。