本作を語る上で避けて通れないのが、サビのラストに突如として放たれる「帰りにうどん食べてくわ」というフレーズです。冒頭の「ファンキー男子 旅立つ時間だ」というスタイリッシュな導入から一転、激しく情熱的なディスコビートに乗せて叫ばれるこの一言は、初聴時のリスナーに強烈なインパクトを残します。
この『Danceでバコーン 歌詞意味』について、音楽プロデューサーのつんく♂は過去のライナーノーツやインタビューで「華やかな非日常のパーティーから、現実の生活への鮮やかな帰還」という作劇論を明かしています。クラブやディスコで汗だくになって踊り明かし、日々のストレスをすべて発散させた後、空腹の胃袋を満たすのは気取ったフレンチでもこってりしたラーメンでもなく、優しく胃に染み渡る「素朴なうどん」であるという、極めて生々しい庶民派のリアリズムです。
アイドルソングが往々にして「夢の世界」や「ファンタジー」を歌う中で、つんく♂作品は常に「生活者のリアリティ」を根底に忍ばせます。明日からまた始まる労働や日常を生き抜くために、今夜だけはすべてを忘れてバコーンと踊る——このカタルシスと生活感の対比こそが、楽曲に普遍的な説得力を与えています。