サッポロ・シティ・ジャズの魅力は、札幌という大都市のインフラと豊かな都市景観をそのまま舞台装置に変えてしまう点にあります。会場ごとに鑑賞スタイルや演出コンセプトが劇的に異なるため、事前の見どころ把握が欠かせません。
冬のプログラムの中核を担うのが、札幌文化芸術劇場hitaru(札幌市民交流プラザ内)です。以前の大通公園に設営されていた巨大特設テント(ホワイトロック)から会場を移して以降、音響のクリアさと鑑賞の快適性は飛躍的に向上しました。hitaruの客席設計と極上の音響設備が、国内外のジャズジャイアンツが奏でる繊細なブラシワークや重低音のウッドベースを余すところなく届けます。
一方、夏の象徴である「パークジャズライブ」は、大通公園 特設会場をはじめ、札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)、札幌市役所前、赤れんが庁舎(北海道庁旧本庁舎)前広場など、市内10カ所以上の拠点にステージが分散します。観光客もオフィスワーカーも足を止め、初夏の爽やかな青空とライラックの緑に包まれながら、生演奏をビール片手に楽しむ風景は札幌の夏の風物詩です。
また、実力派アマチュアや新進気鋭のプロがしのぎを削る「パークジャズライブ コンテスト」も見逃せません。優勝バンドには海外フェスへの出演権や翌年のメインステージ出場権が与えられるため、審査会場には張り詰めた緊張感と熱狂が渦巻きます。パークジャズライブのエントリーは例年冬から春にかけて受け付けられ、全国から数百組の応募が殺到する登竜門として定着しています。