情報が溢れる現代だからこそ、釧路の飲食店を巡る際にはいくつかの典型的な思い込みや落とし穴が存在します。取材から見えてきた3つの盲点を整理します。
第一の誤解は、「海鮮=和商市場だけで完結する」という思い込みです。和商市場は昼の体験型スポットとして非常に優れていますが、釧路が誇る真の海鮮の豊かさは、夜の末広町を中心とした地元密着型の割烹や居酒屋でこそ発揮されます。地元民が通う居酒屋では、市場ではなかなか並ばないマイナーな地魚の刺身や、炭火で丁寧に焼かれた肉厚なツブ貝、ホッケのすり身汁などが驚くほど良心的な価格で振る舞われます。
第二の盲点は、飲食店の「営業時間と休業日」の罠です。釧路のラーメン店や市場内の食堂は朝から昼過ぎ(14時〜15時)で暖簾を下ろす店舗が多く、夜の居酒屋や炉端焼き店も日曜や月曜が定休日となっているケースが少なくありません。地方都市ならではの営業サイクルを考慮せずにスケジュールを組むと、「行きたかった店がすべて閉まっていた」という事態に陥りかねません。
第三の落とし穴は、「炉端焼きはどこも同じシステム」という認識です。釧路には、客が自分で食材を焼き台に運ぶセルフバーベキュー形式の観光向け施設と、熟練の焼き手が中央の炭火で絶妙に火入れをして提供する伝統的な本格炉端の2つの系統があります。情緒と極上の焼き加減を求めるなら、後者のカウンター割烹スタイルを選ぶ必要があります。