施設の一時休止が発表された当初、市民の間からは強い再開を望む声が上がり、子育て世代や水泳愛好者を中心に存続要望の署名活動が展開されました。市議会でも幾度となく再整備の可能性が議論され、全面的な建て替え計画のシミュレーションが行われました。
しかし、立ちはだかったのは莫大な財政負担でした。軟弱地盤の上に同規模の屋外プールを再建する場合、支持層まで数十メートルの鋼管杭を多数打ち込む抜本的な地盤改良工事が不可欠となります。市試算による概算事業費は50億円から60億円規模にまで膨れ上がり、少子高齢化が進む自治体財政において「夏季の約2カ月間しか稼働しない屋外レジャー施設」にこれほどの巨費を投じることに対し、議会や財政部局から強い難色が示されました。
結果として市は新規の建て替え計画を正式に断念。施設全体の解体工事に着手する方針を決定しました。現在の状況として、現場では安全確保のための除却作業が進められており、約4万平方メートルに及ぶ跡地の活用法については、防災機能を兼ね備えた緑地広場や通年利用可能な多目的スポーツ拠点への転換が基本構想として検討されています。