駆け込み需要が発生した直後、市場には必ずと言っていいほど強烈なしっぺ返しが訪れます。これが駆け込み需要と反動減の構造的連鎖です。本来なら翌月以降に買われるはずだった需要を「前倒しで先食い」したに過ぎないため、改定期日を過ぎた瞬間に市場の購買意欲は急速に冷え込みます。
経済産業省の商業動態統計や各種業界データを見ても、駆け込み需要で跳ね上がった売上グラフは、翌期に深い谷(マイナス成長)を形成することが実証されています。この駆け込み需要の市場影響は、単に売上が落ちるだけにとどまりません。
流通現場では、直前の物流網逼迫により配送遅延やトラックドライバーの過重労働が発生します。さらに小売店舗では、ピーク時に合わせた過剰発注が裏目に出て、増税後に大量のデッドストック(滞留在庫)を抱えるリスクに直面します。実際に大手家電量販店の店長経験者は取材に対し、「増税前は寝る間もないほどレジが回り続けたが、明けた翌月は店内に閑古鳥が鳴き、目標未達を補うための赤字覚悟の処分セールを強いられた」と語っています。