ケシの区画に目を奪われがちですが、園内には知的好奇心を刺激するディープな展示エリアが目白押しです。なかでも人気を集めるのが、通年で多様な気候帯の植物を体感できる大型温室です。
温室内部では、解熱鎮痛剤の原料として知られるキニーネの木や、チョコレートの原料であるカカオ、甘味料のステビア、スパイスとして重宝されるバニラなど、私たちの生活に密着した有用植物が生育しています。温室ならではの湿気と甘い芳香が立ち込め、世界各国の薬用文化を一望できます。
また、小平市薬用植物園で開催される定期イベントとして評価が高いのが、専門講師が引率する「有毒植物・薬草観察ツアー」です。トリカブトやチョウセンアサガオ、ドクウツギといった日本三大有毒植物の実物を前に、どのような毒性成分を含み、誤食するとどんな中毒症状を引き起こすのかを専門家が詳細にレクチャーします。子ども連れのファミリーから植物愛好家まで、教科書では学べない生きた安全教育の場として熱心な参加者が列を作ります。