スーツ本体が決まったら、次に印象を左右するのが小物使いのディテールです。スーツのVゾーンと足元には、父親の美意識とマナーへの理解が如実に表れます。
第一の関門である入学式父親ネクタイの色選びでは、春らしさと祝意を宿した明るいトーンが支持されています。具体的には、爽やかさを演出するサックスブルー、華やかさを添える淡いピンクやラベンダー、上品な格式を醸し出すシャンパンゴールドやシルバーグレーが王道です。柄は無地(ソリッド)、上品なドット柄、あるいは控えめなレジメンタルストライプが適しています。前述の通り、冠婚葬祭用の白無地や黒無地のネクタイは厳禁であり、派手なキャラクター柄や蛍光色の大柄も式典の場を損ないます。
スーツスタイルを一気に格上げするのが、入学式父親ポケットチーフマナーへの配慮です。胸元にチーフを挿すだけで、普段のビジネススーツが祝宴のセレモニースーツへと昇華します。素材は清潔感あふれるリネン(麻)または上品な光沢のあるシルク(絹)を選び、色は無垢な白が無難かつ最高格式です。折り方は、端を四角く覗かせる「TVフォールド」が無難で好印象を与えます。パーティーではないため、無造作に膨らませるパフドスタイルよりも、端正に整えられたTVフォールドやスリーピークスが学校行事には最適です。
そして最後に全体を引き締めるのが、入学式父親革靴ベルト選びです。靴とベルトは「同色・同素材」で揃えるのがメンズドレスコードの鉄則です。カラーはブラックが最も格式が高く間違いありませんが、ダークネイビーのスーツに深みのあるダークブラウンの革靴を合わせるスタイルも洗練された大人の雰囲気を醸成します。デザインは、最もフォーマル度の高い「内羽根式のストレートチップ」または「プレーントゥ」を選びましょう。スニーカーやローファー、金具が目立つビットローファーは略装にあたるため避けるのが賢明です。また、前日までにしっかりと靴磨きを施し、かかとのすり減りがないか点検しておくことも見落としてはならない身だしなみです。