第3シリーズでは、三谷幸喜による脚本のキレがさらに冴え渡り、犯人の職業や犯行環境のバリエーションも多彩を極めました。全11話の豪華ゲスト犯人キャストと各話のあらすじを一挙に振り返ります。
第1話(通算第28回)「若気の至り」/犯人役:市村正親(黒井川尚)
世界的な天才指揮者・黒井川は、自身の過去の秘密を知る元愛人の女性クラリネット奏者をリハーサル室で衝動的に殺害。事故死に見せかける細工を施すものの、古畑は現場の空調や遺体の状態から不審点を瞬時に見抜き、音楽家特有のプライドを突いて自白へと追い込みます。
第2話(通算第29回)「忙しすぎる殺人者」/犯人役:真田広之(由良一彦)
秒刻みのスケジュールをこなす敏腕メディアプランナーの由留木は、不正を告発しようとした実業家を別荘のプールで殺害。携帯電話と分刻みの移動スケジュールを利用した完璧なアリバイ工作を仕掛けますが、古畑は彼の「時間への異常な執着」が生んだわずかな綻びを暴きます。
第3話(通算第30回)「古畑、風邪をひく」/犯人役:松村達雄(荒木嘉右衛門)
風邪をこじらせて山奥の村で静養していた古畑が遭遇した事件。村長である荒木は、村の近代化を阻む頑固な男を正当防衛に見せかけて射殺。村全体が口裏を合わせて村長を庇う中、古畑はわずかな物証の違和感から集団の嘘を切り崩していきます。
第4話(通算第31回)「アリバイの死角」/犯人役:大地真央(金森晴子)
敏腕歯科医の金森は、妹を弄び裏切った男をクリニックの診察台で毒殺。麻酔治療中の患者の盲点を利用した巧みなアリバイを構築しますが、現場に残されたスリッパの向きや細かな診療記録の矛盾から、古畑がその冷徹なトリックを解き明かします。
第5話(通算第32回)「古い友人に会う」/犯人役:津川雅彦(安斎亨)
古畑の幼なじみである作家・安斎の別荘に招かれた古畑と今泉。安斎は妻と不倫相手への復讐のため、古畑の目の前で自身が射殺されるかのように見せかける「操り殺人」を実行。旧友同士の哀愁漂う心理戦と、友の罪を見逃さない古畑の悲痛な決意が胸を打つ名エピソードです。
第6話(通算第33回)「絶対音感殺人事件」/犯人役:市川染五郎(現・十代目松本幸四郎/気木陽介)
絶対音感を持つ若き新進作曲家・気木は、ゴーストライターを務めさせていた師匠からの自立を阻まれ、師匠を殺害。自身の絶対音感を偽装工作の鍵として利用するものの、その優れた聴覚ゆえに犯してしまった致命的なミスを古畑に看破されます。
第7話(通算第34回)「哀しき完全犯罪」/犯人役:田中美佐子(小田嶋さくら)
女流囲碁棋士のさくらは、夫であり棋士仲間でもある男からの精神的DVに耐えかねて撲殺。対局前夜のホテルという密室環境で、盲点を突いた偽装工作を施します。古畑の鋭い観察眼と、哀しい夫婦の結末を描いたサスペンスフルな一編です。
第8話(通算第35回)「頭でっかちの殺人」/犯人役:福山雅治(堀井岳)
車椅子生活を送る天才化学研究員の堀井が、元恋人を奪った同僚を爆殺。綿密な計算に基づいた時限爆弾と遠隔トリックで鉄壁のアリバイを主張しますが、古畑の科学的アプローチと鋭い心理分析によって完全論破されます。
第9話(通算第36回)「追いつめられて」/犯人役:玉置浩二(臺修三)
新幹線車内で愛人を誤って殺害してしまったエリート官僚の臺。死体を車内のトイレに隠し、停車駅ごとの隙を突いて証拠隠滅を図りますが、同じ列車に偶然乗り合わせていた古畑に不審な行動を次々とマークされ、パニックに陥りながら自滅へと向かいます。
第10話・第11話(通算第37・38回)「最も危険なゲーム(前後編)」/犯人役:江口洋介(日下光司)
シリーズ屈指のスケールを誇る最終章前後編。過激派テロ集団「SAC」を率いるリーダー日下は、警察への復讐と大金を狙い、大規模な電車ジャックおよびビル占拠を企てます。古畑は緻密に張り巡らされた陽動作戦の真の目的に迫り、頭脳戦の果てに国家規模の犯罪を阻止します。