月の俳句【完全版】芭蕉が隠した真相と名句30選を徹底解説

月の俳句【完全版】芭蕉が隠した真相と名句30選を徹底解説

月の俳句【完全版】芭蕉が隠した真相と名句30選を徹底解説に関する深掘り解説を詳しく解説いたします。

小林一茶の詠んだ「名月をとってくれろと泣く子かな」は、多くの人が一度は耳にしたことがある著名な句です。駄々をこねる幼児の愛らしい姿を詠んだ微笑ましい句として解釈されがちですが、一茶の波乱に満ちた生涯を知ると、全く異なる景色が見えてきます。

一茶は50歳を過ぎてようやく家庭を持ちましたが、生まれた長男・長女・次男をことごとく幼くして病で亡くすという悲劇に見舞われました。晩年に授かった子どもたちへの愛情は並々ならぬものがあり、それだけに我が子を失う苦痛は想像を絶するものでした。

この句に登場する子どもは、実在の我が子をモデルにしているとも、すでにこの世を去った幼子たちへの追憶や幻影であるとも言われています。どんなに泣いてねだられても、天上の名月を取ってやることはできない――そこには、親としての無力感と、愛しい命を抱きしめられない切痛な哀惜が幾重にも重なっています。表面的な愛らしさの裏に潜む人間の悲哀こそが、この句を不朽の名作たらしめている理由です。

山崎 陸
著者

山崎 陸

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