再婚家庭(ステップファミリー)において最も難易度が高いとされるのが、継親と連れ子との心理的な距離感の縮め方です。田中さんは交際当初から「父親ぶらない」という明確なスタンスを貫いていました。
山口もえさんが過去の対談番組や手記で明かしたところによると、交際が始まった当初、田中さんは子供たちに決して「お父さん」「パパ」と呼ばせることを強制せず、「ゆうじくん」「田中さん」と友達のようなポジションから交流を開始しました。休日には公園で泥だらけになって遊び、長男とは大好きな野球やお風呂を共にし、長女の些細な悩み事にも真剣に耳を傾ける日々を積み重ねたといいます。
転機となったのは、結婚前の長女からの言葉でした。外食の帰り道、当時小学生だった長女が山口さんに対して「ねえママ、ゆうじくんと結婚しないの?」「ゆうじくんにパパになってほしい」と自ら切り出したのです。大人の都合で親を押し付けるのではなく、子供たちの側から「家族になりたい」と受け入れられるまでじっくりと待った田中さんの誠実さが実を結んだ瞬間でした。
2017年に次女(実子)が誕生した際にも、田中さんは細心の注意を払いました。一般的にステップファミリーでは実子が生まれると連れ子が疎外感を抱きやすいとされますが、田中さんは長女や長男へのハグや声かけを以前にも増して増やし、「みんな同じ大切な我が子」という姿勢を行動で示し続けました。その結果、思春期を迎えた現在でも、家庭内での信頼関係は揺らぎないものとなっています。