美容外科の初診外来を訪れる患者のうち、「顎を短くしたい」と訴える層の数値を計測すると、実際には標準値の範囲内に収まっているケースが極めて多いと現場の医師らは口を揃えます。まず把握すべきは、感情論やSNSのフィルター画像ではない、物理的な解剖学データです。
美容医療や頭蓋顔面外科学において、顎の長さを測定する際の基準点は「下唇の境目(下唇結節下縁)から顎の最先端(オトガイ結節下端)」を結んだ直線距離を指します。日本人の成人男女を対象とした各種計測値のコンセンサスによると、顎の長さ平均 女性はおおむね約3.0〜3.5cm(平均約3.2cm)、顎の長さ平均 男性では約3.5〜4.0cm(平均約3.7cm)が標準的なレンジです。
顎の長さをセルフチェックする際、多くの方が鏡の前でメジャーを皮膚に這わせて測るという初歩的なミスを犯しています。皮膚のカーブに沿わせて計測すると、オトガイの厚みや唇の反り返りによって数値が5mm以上も過大に計測されてしまうためです。顎の長さ 正しい測り方の手順は以下の通りです。
【正しいセルフ計測の3ステップ】
1. 視線を正面に向け、奥歯を自然に噛み合わせた状態でリラックスする(口角を上げたり口をすぼめたりしない)。
2. 硬いプラスチック製または金属製の定規を用意し、下唇の赤唇と皮膚の境界線(中央部)に定規の「0cm」を垂直に当てる。
3. 定規を顔の骨格に対して真っ直ぐ垂直に下ろし、顎の骨の最下端(指で下から押し上げて骨に突き当たる位置)の目盛りを正面から読み取る。