オーストラリアンシェパードを検討する際、最も頻繁に比較対象となるのがボーダーコリーです。外見や運動量の多さから同列に語られがちですが、その気質と行動特性には明確な違いがあります。
ボーダーコリーは「目線(アイ)」を使って羊をコントロールする強い作業欲求を持ち、動くもの(車、自転車、走る子ども)に対して強い反応を示す傾向があります。対してオーストラリアンシェパードは、家畜の足元に飛び込んで吠えたり軽く噛んだりして群れを動かす「ヒール作業」を得意としてきた歴史を持ちます。そのため、ボーダーコリーよりも体ががっしりしており、自己主張と守護本能が強いという特徴を持ちます。
また、オーストラリアンシェパードは「ベルクロドッグ(マジックテープのように張り付く犬)」と称されるほど、家族に対する密着度と忠誠心が極めて強い犬種です。ボーダーコリーが「仕事やボール遊びそのもの」に夢中になるタイプだとすれば、オーストラリアンシェパードは「飼い主の顔色を見つめ、行動を共にすること」に強い喜びを感じます。
この強い愛着は裏を返せば、見知らぬ他者に対する警戒心の強さやテリトリー意識として表出します。子犬期に十分な社会化を行わなければ、来客に対して激しく吠え立てたり、散歩中にすれ違う他人に威嚇行動を取ったりするトラブルに発展しがちです。決して「賢いから勝手に良い子に育つ」わけではなく、飼い主が一貫したルールと毅然とした態度を保てなければ、リーダーシップを犬に奪われて家庭内が支配されてしまいます。