食後血糖値の基準値はどこから危険?見落とされる数値と最新予防指針

食後血糖値の基準値はどこから危険?見落とされる数値と最新予防指針

食後血糖値の基準値はどこから危険?見落とされる数値と最新予防指針とはどのようなものなのか? 背景や要点を簡潔に解説します。

食後高血糖に悩む人が増える一方、インターネット上には医学的根拠の薄い極端な言説が溢れかえっています。正しい対策を取るために、まずはネットの誤解と真実を峻別しなければなりません。

巷で頻繁に目にするのが「糖質を完全に断てば解決する」「特定のトクホ茶やサプリを飲んでいればラーメンを食べても帳消しになる」という言説です。しかし、臨床の現場から見ればこれらは明白な誤解です。極端な糖質制限を長期間続けると、肝臓や筋肉での糖処理能力そのものが低下し、たまに糖質を口にした際にかえって血糖値が跳ね上がる「耐糖能の悪化」を招く危険があります。また、市販のサプリメントによる糖吸収抑制作用は極めて緩徐なものであり、高カロリー・高GI食品の暴食を相殺できるほどの効果はありません。

では、そもそも食後血糖値が下がらない理由は何でしょうか。そこには日本人の遺伝的・体質的な特徴が深く関わっています。

欧米人に比べ、東アジア人はもともと膵臓のβ細胞の容積が小さく、インスリンを追加分泌する能力が約半分程度しかありません。糖分が入ってきた瞬間に素早くインスリンを出す「初期分泌能」が弱いため、糖の処理が追いつかず、食後血糖値の頂点が高くなりやすい体質を持っています。さらに、加齢や座りっぱなしの生活によって「最大の糖の貯蔵庫」である骨格筋が減少すると、血液中のブドウ糖を取り込む逃げ場がなくなり、数値は高止まりを続けます。

この初期段階を放置したものが「境界型糖尿病」です。境界型糖尿病の予防と詳細まとめとして銘記すべきは、この段階であれば、まだ膵臓の疲弊を食い止め、正常な状態へと引き返せる余地が十分に残されているという事実です。完全に糖尿病へと進行して膵臓の細胞が荒廃してしまう前に、打つべき手を打たなければなりません。

山崎 陸
著者

山崎 陸

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