電動ドライバーという呼び名は、電気モーターの力で先端を回転させる工具全般を指す総称として使われがちです。しかし、DIYの世界で比較対象となる「電動ドライバー」は、一般的にクラッチ機構を備えた「ドリルドライバー」を指します。一方の「インパクトドライバー」とは何が違うのでしょうか。その最大の核心は、打撃機構(インパクト機能)の有無にあります。
インパクトドライバーは、ネジを締め進める際に一定以上の負荷がかかると、内部のハンマーがアンビル(回転軸)をガガガッと激しく叩き、回転方向に強烈なショック(打撃)を加えます。この打撃機構の仕組みによって、人の腕力では到底不可能な強力なトルクを生み出し、長いコーススレッド(木工用ネジ)でも下穴なしで木材の奥深くまで一気に沈み込ませることが可能です。
対するドリルドライバーは、モーターの滑らかな回転運動のみでネジ締めや穴あけを行います。打撃を与えない代わりに、モーターの駆動力を一定の強さに制限するトルク調整とクラッチ機能を搭載しています。設定したトルクに達すると「カチカチッ」と空転してそれ以上の負荷を遮断するため、ネジの締めすぎを防ぐ設計です。
両者の締め付けトルク比較を行うと、一般的な家庭用ドリルドライバーが最大20〜40 N・m(ニュートンメートル)程度、プロ用でも60〜80 N・m前後であるのに対し、主要メーカーの18V〜36Vインパクトドライバーは140〜220 N・m以上という桁違いのパワーを叩き出します。この圧倒的な回転力と衝撃こそが、両者を全く異なる工具に仕立て上げている根本的な理由です。