ブヨ刺されの治療において最も重要なのは、セルフケアで対応可能な範疇を見極め、専門医による保険診療へ切り替えるタイミングを逸しないことです。跡を残さずに完治させるための明確な判断基準を提示します。
直ちに皮膚科を受診すべき危険シグナル(受診の目安)
- 急速な腫れの拡大:刺された関節部だけでなく、足首からふくらはぎ、あるいは腕全体に腫脹が波及している場合。
- 水ぶくれの多発・破裂:直径1cmを超える大水疱ができた、または水ぶくれが破れて黄色の浸出液や膿が漏れている場合。
- 全身症状の出現:局所の激しい熱感・自発痛に加え、37.5度以上の発熱、悪寒、倦怠感、鼠径部や腋窩のリンパ節の腫れが見られる場合。
- セルフケアの無効:ストロングクラスの市販ステロイド軟膏を3日間正しく塗布しても、腫れや赤みが悪化傾向にある場合。
皮膚科では、市販薬では入手できない最強ランク(ベリーストロング群やストロンゲスト群:デルモベートやマイザー等)の外用ステロイドが処方され、急性期の強烈な炎症を一撃で鎮火させることが可能です。また、すでに形成されてしまったしこり(結節性痒疹)に対しては、ステロイド密封療法(ドレニゾンテープ)やトリアムシノロンアセトニドの局所注射(ケナコルト注射)を行うことで、分厚くなった線維化組織を速やかに縮小させることができます。
セルフケアで様子を見てよい条件
刺入部の赤みが直径2〜3cm以内に収まっており、熱感や痛みが局所的で、市販のPVA配合ステロイド軟膏によってかゆみが十分にコントロールできている場合に限られます。ただし、この場合でも処置は最長1週間を限度とし、漫然とステロイドを塗り続けることは皮膚萎縮や毛細血管拡張などの副作用を招くため避けてください。