アメリカ合衆国本土(カリフォルニア州やニューヨーク州など)では、春から秋にかけて時計の針を1時間進める「デイライト・セービング・タイム(夏時間/サマータイム)」が広く運用されています。本土と往来するビジネスマンや観光客がしばしば混乱するのが、ハワイサマータイム実施されない理由です。結論から言えば、ハワイ州は1966年の連邦統一時間法制定後、1967年に同制度の適用除外を決定し、以来半世紀以上にわたり一度もサマータイムを実施していません。
制度を拒絶し続ける最大の理由は、ハワイ諸島が位置する地理的緯度(北緯約19〜22度)にあります。赤道に近い低緯度亜熱帯地域に位置するため、年間を通じた日の出・日の入りの変動幅はわずか1時間半程度しかありません。緯度が高い米国本土や欧州のように「夏期は夜21時過ぎまで明るい」といった極端な日照延長が存在しないのです。
さらに、住民生活と産業構造の観点からも明確な反対理由が存在します。強い西日による住宅内の室温上昇はエアコン稼働率を押し上げ、期待される省エネルギー効果どころか逆に電力消費を増大させることが現地当局の調査で判明しています。年間を通じて温暖で太陽の恵みを受けるハワイにおいて、時計の針を人工的に操作する経済的・社会的メリットは皆無に等しいのが実情です。そのため、旅行者は季節を問わず常に「19時間」の固定値で旅程を組むことができます。