いわゆる「大学無償化」の公的な正式名称は、2020年4月に施行された高等教育の修学支援新制度です。この制度は、大学・短期大学・高等専門学校(4・5年)・専門学校への進学を対象としており、支援の柱は以下の2本立てで構成されています。
第1の柱が大学等に直接納入する費用の負担を減らす「授業料等減免(入学金減免+授業料減免)」、そして第2の柱が生徒の生活費や教材費を補う返済不要の「日本学生支援機構(JASSO)給付型奨学金」です。この両輪が同時に適用されることで、自己負担が極限までゼロに近づく仕組みが完成します。
2026年時点における支援上限額の規模は、進学先が国公立か私立か、また自宅通学か自宅外(一人暮らし)通学かによって厳密に区分されています。私立大学へ自宅外通学する場合、年間で最大約70万円の授業料減免に加え、月額約7万5,800円(年間約91万円)の給付型奨学金が支給されます。両者を合計すると年額最大約161万円相当の支援となり、学費と生活基盤の大部分が公費でカバーされる計算です。
母子家庭だからといって無条件に全額が支給される特別枠が単独で存在するわけではありません。あくまで「所得水準と世帯構成に応じた経済的支援」の枠組みのなかで、ひとり親世帯が優先的・重点的にその恩恵を享受できる構造になっています。この基本原則を取り違えると、将来設計に致命的な狂いが生じます。