トヨタの新型フラッグシップミニバンとして君臨する40系において、メーカーが下した最大の決断は「ヴェルファイアの明確な再定義」でした。先代30系のモデル末期、販売比率はアルファードが約8割を占め、ヴェルファイアは存続の危機に瀕していました。しかし開発陣はヴェルファイアを単なるデザイン違いの兄弟車として終わらせるのではなく、「ドライバーが積極的に運転を楽しめるスポーツプレミアム」へと舵を切ることで見事に再生させました。
この開発方針の違いがダイレクトに反映されているのが、ヴェルファイアとアルファードの価格差です。アルファードのベースグレードである「Z(2.5LガソリンNA)」が540万円から設定されているのに対し、ヴェルファイアの最も廉価なグレードである「Z Premier(2.4Lガソリンターボ)」は655万円からとなっており、エントリー価格の比較では実に115万円もの価格差が存在します。
ディーラー営業担当者の証言によると、「ヴェルファイアが高額に見えるのは、アルファードにおける売れ筋エントリー構成(2.5L NA+CVT)を完全に排除し、上級パワートレインと専用加飾を標準化した単一の上級ラインナップに絞り込んでいるため」と説明されます。両車のハイブリッドモデル同士(アルファードZ E-Four:約642万円 vs ヴェルファイアZ Premier E-Four:約712万円)で比較しても約70万円の差がありますが、これには後述する専用装備やシャシー強化パーツのコストが明確に織り込まれています。