ネイルプライマーを選ぶ上で、絶対に知っておかなければならないのが「酸の有無」による違いです。プライマーは歴史的に「アシッド(酸性)プライマー」と「ノンアシッド(非酸性)プライマー」の2系統に分かれます。
かつてアクリルスカルプチュア全盛期に主流だったアシッドプライマーは、主成分に強い酸性を持つメタクリル酸を含有しています。強酸の力で爪表面のケラチン組織を微細に腐食・溶解させ、表面に無数のミクロの溝を作り出して樹脂を物理的に食い込ませる仕組みです。その密着力は極めて強大である一方、自爪を著しく薄く脆くさせるだけでなく、誤って皮膚に付着した場合には激しい痛みや化学火傷(ケミカルバーン)、爪甲剥離症を引き起こす危険性をはらんでいます。
こうした身体的リスクを排除するため、サロン現場および家庭用セルフネイル向けに普及したのがノンアシッドプライマー(酸不使用タイプ)です。メタクリル酸を一切排除し、爪を溶かすことなく、分子間引力や水素結合の親和性を利用して自爪とベースジェルを結合させます。刺激臭も大幅に緩和されており、現代のネイル市場において個人が安全に使用できるプライマーは、基本的にこのノンアシッドタイプ一択となっています。