ランリュックを単なる近年の新興トレンドと捉えるのは正確ではありません。その歴史を紐解くと、半世紀以上前となる昭和の京都に辿り着きます。公用語や登録商標の観点から言えば、その元祖は株式会社マルタカが開発したランリック マルタカの製品群であり、ここがまさにランリュック 京都 発祥の地です。
1968年(昭和43年)、京都府向日市(当時は乙訓郡向日町)の小学校校長からマルタカの創業者へ持ちかけられた切実な相談がすべての始まりでした。「高価で重い革製ランドセルを買えない家庭がある」「児童が重いカバンで腰を痛めそうになっている」「登下校の交通安全に配慮したカバンは作れないか」——当時から存在していた経済格差への配慮と児童の健康への危機感が、開発の直接の引き金でした。
試行錯誤の末に完成した「ランリック」は、当時の通学カバンとしては画期的な黄色と黒の配色(視認性を高めて交通事故を防ぐ目的)と、軽量なナイロン生地を採用しました。向日市や長岡京市、宇治市など京都府南部を中心に公立小学校の推奨通学カバンとして定着し、半世紀にわたり関西圏の登下校を支え続けてきた確固たる実績があります。この京都で培われた「児童ファースト」の思想が、令和の荷物過重問題と合流し、全国的なムーブメントへと昇華したのです。