都市インフラおよび情報通信の構造分析から導き出される結論は極めて明確です。NTTドコモ大阪南港ビルは、容易に解体・売却できるような単なる不動産ではありません。
世界的な建築的価値を持つケーブル支持型鉄塔を解体するには莫大なコストと極めて高度な特殊工法を要します。さらに重要なのは、床荷重や受電容量、非常用発電設備など、データセンターとしての強靭な基本スペックが、近年のデータセンター需要の高まりと完全に合致している点です。脱炭素化とデジタルインフラ強靭化が国家課題となるなか、強固な基礎を持つこのビルを壊す経済的・戦略的合理性は皆無に等しいと言えます。
この動向を踏まえると、ベイエリアのインフラ動向に注目する読者は以下の視点で状況を見極めることが推奨されます。
【注視・評価すべき対象】
・咲洲地区でのデータセンター増設やIOWN関連実証実験の拠点化に注目するIT・通信業界関係者。
・昭和から平成にかけて築かれた高度構造技術のヘリテージとして建築美を鑑賞・記録したいファン。
【慎重・静観すべき対象】
・「南港ドコモビル跡地再開発」を謳う真偽不明の投機的不動産情報やSNSの解体デマ。
・一般向けの商業開放や観光施設化を過度に期待すること(高度な機密施設であるため一般開放の可能性は極めて低い)。