特許庁が毎年公表する統計資料を丹念に紐解くと、弁理士試験の最終合格率は長年にわたり6%〜8%前後という極めて狭い水準で推移しています。直近2024年から2026年にかけての傾向を見ても、受験者数が3,000人規模で安定するなか、最終合格者数は例年200人前後に抑えられています。
しかし、この「合格率約6%」という数値を宅建(約15〜17%)や行政書士(約10〜14%)と同列に並べて比較するのは早計です。大手知財専門誌の編集デスクは次のように指摘します。
「弁理士試験の恐ろしさは、記念受験やノー勉強の層がほぼ存在しない点にあります。母集団の約7〜8割がメーカーの研究開発職、エンジニア、企業知財部員、または旧帝大・東工大・早慶クラスの理系出身者です。高度な論理思考に長けた猛者たちが、予備校で数十万円の費用と膨大な時間を投じて鎬を削った結果としての『6%』なのです」
試験は1次「短答式」、2次「論文式」、3次「口述式」と順を追って実施され、途中で脱落していく過酷なトーナメント方式が採られています。形式上の倍率は約15倍ですが、実質的な競争密度は国家公務員総合職や旧司法試験予備試験にも匹敵する重圧を帯びています。