インドの国旗は、上から「深いサフラン色(ケサリ)」「白」「緑」が均等の幅で配された水平三色旗です。一般的にサフラン色はヒンドゥー教、緑色はイスラム教、白はその調和や他宗教を表すと解釈されがちですが、国家として公式に定められた定義は、そうした特定の宗教的枠組みをはるかに超越した精神的徳性にあります。
1947年の制憲議会において、後に第2代大統領となる哲学者サルヴパッリー・ラーダークリシュナン博士は、各色が意味する本質について次のような力強い演説を残しました。
「バグワー、すなわちサフラン色は、執着を捨てることや献身を表している。我々の指導者たちは物質的な利益に無関心であり、自らの仕事をひたすら公のために捧げなければならない。中央の白は光であり、我々の行動を導く真理の道である。そして緑色は、土壌との関係、他のすべての生命が依存する植物の生命との関係を示している」
公式見解におけるそれぞれの色の象徴は以下の通りに整理されています。
インド国旗のサフラン色が持つ意味:勇気、自己犠牲、そして私欲のない奉仕の精神。国家のために私利私欲を捨てて立ち向かう決意を表します。
インド国旗の白色が持つ意味:純潔、平和、そして普遍的な真理(サティヤ)。常に誠実さと正義をもって国家運営にあたる道標です。
インド国旗の緑色が持つ意味:大地への信仰、繁栄、豊饒、そして生命力。国民の生活を支える豊かな自然環境と経済的な実りを意味しています。
このように、特定の宗派に限定されない道徳的・普遍的価値へと再定義された点に、多様な信仰を内包するインドならではの国家統合の知恵が息づいています。