これほどの傑作でありながら、視聴者の間では「シーズン1の第4話までに脱落した」という声が根強く存在します。SNSや大手掲示板、Q&Aサイトの声を精査すると、脱落の要因は明確に浮かび上がってきます。
ネット上のリアルな感想として最も多く挙げられるのが、「西洋人の顔と名前が一致しない」「ヒゲを生やした壮年男性が何人も出てきて、誰がどの家の人間か判別できない」という視聴環境のハードルです。第一話から登場人物が一気に30名以上登場し、会話の中で「過去のロバートの反乱」や「狂王の時代」の出来事が注釈なしで語られるため、情報のオーバーロードに耐えかねてしまうケースが頻発しています。
米HBOのメイキング特番や関係者の回想録において、ショーランナーのデイヴィッド・ベニオフらは「視聴者が物語の複雑さに慣れるまで、意図的に説明ゼリフを排除し、自然な会話劇の中に伏線を潜ませた」と語っています。脚本陣が安易なテロップ解説やモノローグを避けた結果、作品の芸術性は極限まで高まった反面、初見のハードルを押し上げる結果となりました。
この「初見脱落の壁」を突破した視聴者たちの共通点は、主要人物の所属名家と紋章(スターク=ダイアウルフ、ラニスター=獅子、ターガリエン=三頭の竜)だけを先に頭に入れ、枝葉の脇役を無理に覚えようとしなかった点にあります。大幹となる3つの家系の対立関係さえ押さえれば、中盤以降の怒涛の展開に自然と没入できるよう設計されているのです。