今まさに手元に訂正印がなく、お店へ買いに行く時間すら残されていない緊急事態において、知っておくべき知識が訂正印の代用品まとめです。実は、世間の常識と法律上の要件には大きな乖離が存在します。
民法や商法、各種行政法規における契約・申請書の修正において、「必ず直径6ミリ以下の小型訂正印を押さなければならない」という法的規定は一切存在しません。本来の法的なルールでは、修正箇所の二重線上に押印すべき印鑑は、「その書類の末尾や署名欄に押印した印鑑(本印・認印・実印)と同一の印鑑」であることが原則です。
ではなぜ訂正印という小型印が普及したのかといえば、狭い行間や修正欄に大きな認印(10〜12ミリ)を押すと、修正後の文字や数字が隠れて読めなくなってしまうという「視認性の配慮」、および経理や簿記の帳簿付けにおける慣習に過ぎません。したがって、以下の境界線を正しく把握していれば、認印をそのまま代用することが可能です。
- 契約書・公的申請書・金融機関提出書類:原則として「契約時に押した認印(または届出印・実印)」を訂正印として二重線の上に重ねて押すのが正式な手続きです。文字に印影が被らないよう余白に押し、上部や枠外に「〇字削除〇字加入」と付記します。
- 社内回覧・稟議書・一般的な業務日報:認印での二重線押印で全く問題ありません。社内ローカルルールで「訂正印必須」と形式的に決められている場合でも、認印のフチを綺麗に押す、あるいは上司に事情を一言伝えて認印で修正を完了させるのが実務上の最適解です。
- 簿記帳簿・緻密な数字の並ぶ財務諸表:数字の判読性が最優先されるため、余白が極端に狭い場合に限り、認印を押すと文字が潰れる恐れがあります。このケースのみ、小型の6ミリ印や修正液・修正テープ(帳簿の訂正ルール上不可とされる場合を除く)の規定を確認する必要があります。