側頭部に異常な圧痛や違和感を覚えた際、どの診療科のドアを叩くべきかは痛みの性質と全身症状によって明確に分かれます。初動の遅れが致命傷になりかねないため、以下の判断基準を頭に叩き込んでおく必要があります。
【プロの結論】受診すべき診療科のトリアージ基準
- 脳神経外科・救急外来を即座に受診すべきケース(レッドフラッグ): これまで経験したことのない突然の激痛、バットで殴られたような衝撃、手足のしびれや力が入らない、ろれつが回らない、物が二重に見える、意識がもうろうとする。これらは脳動脈瘤破裂(くも膜下出血)や脳動脈解離、脳梗塞が疑われるため、夜間休日を問わず救急搬送を検討すべき緊急事態です。
- リウマチ膠原病内科・脳神経内科を受診すべきケース: 50歳以上で片側のこめかみの血管が太く腫れ、押すと飛び上がるほど痛む、噛んでいると顎が痛くなる、熱っぽさやだるさがある。前述した側頭動脈炎が強く疑われるため、速やかな血液検査(CRP・赤沈)と血管エコー検査が急務となります。
- 歯科口腔外科を受診すべきケース: 朝起きたときに側頭部やエラ周囲が痛む、口が指2本分以上開かない、顎を動かすとジャリジャリ・コキコキと音が鳴る。顎関節症や睡眠時ブラキシズム(歯ぎしり)が原因である可能性が高く、ナイトガード(マウスピース)の作成が根本解決につながります。
- 神経内科・ペインクリニックを受診すべきケース: 頭皮に電気が走るようなピリピリ・チクチクした痛みが走る、髪を触るだけで痛む。末梢神経の興奮を抑える神経障害性疼痛治療薬(プレガバリンなど)や神経ブロック注射の適応となります。