近江の台頭を最も間近で受け止め、強烈な対抗心を燃やしているのが草津東高校サッカー部です。滋賀県立の進学校でありながら全国準優勝の歴史を持つ同校は、保護者や中学生からの評判が今なお極めて高い名門です。
草津東の真骨頂は、私立強豪のような過密な県外スカウトに依存せず、滋賀県内の優秀な中学生たちを「文武両道」の厳しい規律の中で叩き上げる点にあります。徹底した走力強化、強固な守備ブロック、そして緻密にデザインされたセットプレーは、一発勝負のトーナメントにおいて近江にとっても最大の脅威であり続けています。滋賀県高校サッカー選手権予選の速報を見ても、決勝カードの多くは「近江対草津東」のライバル対決であり、両校の激突は滋賀の冬の風物詩として定着しています。
一方で、全国のサッカーファンが常に気に掛けているのが野洲高校サッカー部の現在です。2005年度(第84回大会)の全国高校サッカー選手権において、卓越したテクニックとパスワークを武器に全国制覇を成し遂げた「セクシーフットボール」の衝撃から約20年。現在の野洲高校は、県内リーグでの昇降格争いや予選中盤での敗退など、かつての黄金期と比べれば苦しい過渡期を過ごしてきました。
しかし、技術への偏執的なこだわりというアイデンティティは決して失われていません。現代サッカーが求めるフィジカルインテンシティ(走行距離や球際の強度)と、野洲伝統の「ボールを失わないテクニック」をいかに融合させるかという新たな挑戦が続いています。OBや地域コミュニティからの支援を受け、中堅層からの脱却と全国舞台への返り咲きを目指す再建の道筋が着実に歩まれています。