月経管理アプリの普及に伴い、画面に表示される「排卵予測日」や「予定日」を絶対視するあまり、誤った自己判断に陥るケースが後を絶ちません。現場の医療従事者が警鐘を鳴らす、ネット上で蔓延する代表的な誤解を検証します。
「出血があれば排卵している」という思い込み
多くの人が「経血が出ている以上、生理は順調であり排卵も起きている」と信じ込んでいます。しかし、これは明確な誤りです。ホルモンの分泌が不完全で排卵に至らないまま、分厚くなった子宮内膜が崩れ落ちて出血する無排卵月経の症状は珍しくありません。
「経血量が極端に少ない」「だらだらと薄い茶色の出血が続く」「基礎体温を測っても低温期と高温期の境目がなく平坦な一相性である」といった兆候がある場合、出血があっても無排卵状態に陥っている疑いがあります。放置すると不妊の原因や子宮内膜増殖症のリスクへとつながるため、早急な確認が必要です。
「数日のズレ=即座に異常」という不安の罠
インターネットの掲示板やSNSでは、「予定日より3日遅れただけで病気ではないかと震えている」といった過敏な投稿が散見されます。しかし、人間の身体は精密機械ではありません。前述の通り学会の診断指針でも6日以内のズレは生理的な許容範囲と定義されています。単発のわずかなズレに対してパニックを起こし、そのストレス自体が翌月の生理をさらに遅らせるという悪循環を断ち切る視点が不可欠です。